なんでデニムジャケットに絵を描いたかということ

私が十九か二十歳かくらいの頃、時々、知人のデニムジャケットや革ジャンの背中に絵を描いて幾らかのお金をもらっていた。アメ車のオーダーが多かったと思う。正直云って布や革に車を描くのは過酷だった。漫画家になるうんと前だった。みんな喜んでくれるから、まあそれでいいのかなって思ってた。数年前に不幸な出来事で亡くなった友人のお葬式に行った時、彼の洋服ラックの中に、私が絵を描いたデニムジャケットが吊るしてあるのを見つけた。描いたことも覚えてなかったからとても驚いた。死ぬまで持っててくれたのかと胸が詰まった。それでまたいつか描こうと。本当は今でも誰かの注文を聞いて描きたいと思う。でももうできないだろうな。誰かが大切にしているジャケットだから、失敗する訳にはいかない。昔はもっと重圧だった。みんなの一張羅だったから。次描く時は白のTシャツに描こう。濃色のデニムはこりごりだ。

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